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しゅじゅつ。

 これは腫瘍ですね――と医師は言った。

 重い言葉だった。それはさながら無実の男に死刑宣告をする裁判官の言葉。
 全身から血の気が引いていくのを感じる。
 確かに、最近体調を崩すことが多かった。
 疲れも取れにくくなり、頭痛の頻度も上がっていたようにも思う。
 だからこの結果はある意味では当然のものなのかも知れない。
 だがしかし、僕にとってはまさに青天の霹靂のことだった。
 自分だけは大丈夫だと、そんな誰しもが密かに抱える根拠のない自信に浸っていたせいかもしれない。
 そんな蒙昧な幻想が、当たり前のように崩れ去った。
 今まで当然そうであるべきだと信じていたものが、一瞬にして雲散霧消した。
 ショックだった。
 のどがカラカラに渇いて、上手く言葉を繋げない。
 そんな僕の心情を察してか、医師は重々しく一度頷いてから、僕の身体に巣喰った腫瘍について語り始めた――。

 これは、僕ことビート紺野の身に起こった真実である。
 そして、誰しもの身体に突如として現れる可能性を秘めた、厄災でもある。
 断じていつものおちゃらけた悪趣味な冗談ではない。
 いつ何時、僕と同じ不幸に見舞われる人が現れてもいいように、こうして記録を残そうと考えた次第だ。
 仮に読んだとしても得られるものはないかもしれない。
 しかし、もしかしたら――世界のどこかの誰かの役に立つかもしれない。
 百人にとっては無価値でも、一人にとって価値があれば、それはやはり意味があるのだと、僕は思う。
 ゆえに僕は、この記録を書き残そう。
 いつか、誰かの役に立つと信じて――。

 さて、つまらない前説はこれくらいにしてそろそろ本題に入ろう。
 覚悟のある方だけ、この続きを読み進めていただきたい。

 あわよくば貴方が今宵、心地よい眠りに就けますように――。


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